【サーバーNo.430】今更聞けない!HSTSをサクッと解説

サーバー サーバー
この記事は約5分で読めます。

HSTS(HTTP Strict Transport Security)とは、ウェブサイトとユーザーの通信を強制的にHTTPSにするセキュリティ機構です。HTTPを使用することで発生する盗聴や改ざんのリスクを軽減するため、多くのウェブサイトで採用されています。本記事では、HSTSの仕組みや利用シーンについてわかりやすく解説します。

スポンサーリンク

HSTSとは?

HSTS(HTTP Strict Transport Security)は、ウェブサイトがHTTPS接続を強制するためのセキュリティ技術です。ユーザーが誤ってHTTPでアクセスしても、自動的にHTTPSへリダイレクトされる仕組みを提供します。

わかりやすい具体的な例

わかりやすい具体的な例1

例えば、ある銀行のウェブサイトがHSTSを設定しているとします。ユーザーが「http://examplebank.com」と誤って入力しても、ブラウザは自動的に「https://examplebank.com」へ接続し、安全な通信が確保されます。

sequenceDiagram participant User as ユーザー participant Browser as ブラウザ participant Server as サーバー User->>Browser: http://examplebank.com を入力 Browser->>Server: HTTPS でのみ通信するべきか確認 Server->>Browser: HSTS を適用する Browser->>User: 自動的に HTTPS へリダイレクト

この仕組みにより、ユーザーが意図せずHTTPを利用してしまうミスを防ぎ、通信の安全性を確保します。

わかりやすい具体的な例2

無料Wi-FiスポットでHSTS未設定のサイトにアクセスした場合、悪意のある第三者がHTTP通信を傍受して情報を盗み取る可能性があります。しかし、HSTSが設定されていれば、HTTPSが強制されるため、攻撃を回避できます。

sequenceDiagram participant User as ユーザー participant WiFi as 公共Wi-Fi participant Attacker as 攻撃者 participant Server as サーバー User->>WiFi: HTTPで接続 Attacker-->>WiFi: 改ざんされたレスポンスを送信 WiFi->>User: 偽の情報を受信 Server->>User: HSTSが設定されていれば、HTTPS強制

このように、HSTSは公衆Wi-Fiなどのリスクが高い環境で特に有効です。

スポンサーリンク

HSTSはどのように考案されたのか

HSTSは、セキュリティ研究者によるHTTP通信の脆弱性に関する研究の中で考案されました。

flowchart TD; A[HTTPの脆弱性発覚] --> B[攻撃手法の調査] B --> C[HTTPSの導入促進] C --> D[HSTSの標準化]

考案した人の紹介

HSTSの標準化に関わったのは、インターネット技術の専門家たちです。特に、GoogleやMozillaのエンジニアが中心となり、IETF(Internet Engineering Task Force)のRFC6797として標準化されました。

考案された背景

インターネットの普及により、HTTPSの必要性が増しました。しかし、ユーザーがHTTPで誤ってアクセスするリスクが問題視されており、それを防ぐための仕組みとしてHSTSが考案されました。

HSTSを学ぶ上でつまづくポイント

HSTSを初めて学ぶ際、多くの人が「HSTSの設定方法」と「HSTSの影響範囲」に戸惑います。HSTSは一度設定すると、ユーザーのブラウザに記憶されるため、誤設定があるとアクセス不能になる可能性があります。

スポンサーリンク

HSTSの構造

HSTSは、サーバーがブラウザに対して「Strict-Transport-Security」ヘッダーを送信することで動作します。

sequenceDiagram participant Browser as ブラウザ participant Server as サーバー Server->>Browser: Strict-Transport-Security ヘッダーを送信 Browser->>User: 以後、このサイトはHTTPSのみで通信

HSTSを利用する場面

HSTSは、金融機関や大手ECサイトなど、セキュリティが求められるウェブサイトで活用されます。

利用するケース1

オンラインバンキングでは、ユーザーの機密情報を守るため、HSTSを利用してHTTPS通信を徹底しています。

flowchart TD; User[ユーザー] -->|HTTPS| Bank[銀行サーバー] Bank -->|セキュアな通信| User

利用するケース2

大手ECサイトでは、クレジットカード情報を保護するためにHSTSを設定し、安全な取引環境を確保しています。

flowchart TD; User[ユーザー] -->|HTTPS| Shop[ECサイト] Shop -->|暗号化通信| User

さらに賢くなる豆知識

HSTSには「Preload List」と呼ばれる仕組みがあり、Google Chromeなどのブラウザに事前にHSTSを適用させることができます。

スポンサーリンク

あわせてこれも押さえよう!

HSTSと併せて学ぶべき関連技術を紹介します。

  • HTTPS
  • 暗号化された通信を提供するプロトコル

  • SSL/TLS
  • HTTPSの基盤となる暗号技術

  • DNSSEC
  • DNSの改ざんを防ぐ技術

  • Content Security Policy
  • 悪意あるスクリプトの実行を防ぐ仕組み

  • HPKP
  • 公開鍵ピンニングによるHTTPSの強化

まとめ

HSTSを活用することで、安全なウェブ環境を確保できます。特に、フィッシング対策や改ざん防止に有効であり、今後ますます普及が進むと考えられます。

スポンサーリンク