【サーバーNo.468】今更聞けない!UDPをサクッと解説

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インターネット上での通信を効率化するために、さまざまな通信プロトコルが利用されています。その中でもUDP(User Datagram Protocol)は、通信の高速性とシンプルな構造を特徴とする重要なプロトコルです。本記事では、UDPの仕組みや利用シーン、考案の背景などをわかりやすく解説します。

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UDPとは?

UDP(User Datagram Protocol)とは、インターネット通信において使用される主要なプロトコルのひとつで、TCP(Transmission Control Protocol)と並ぶ存在です。UDPは、データの送受信時に接続を確立することなく通信できるため、リアルタイム性が求められるアプリケーションで広く活用されています。

わかりやすい具体的な例

わかりやすい具体的な例1

UDPは、郵便の速達便のようなものです。通常の郵便(TCP)は、相手に届いたことを確認しながら配達されますが、速達便(UDP)は相手の受け取り確認をせずに次々と配達されます。これにより、迅速な配送が可能になりますが、場合によっては荷物が届かないこともあります。

graph TD; A[送信者] -->|データ送信| B[受信者] A -->|エラー確認なし| B B -->|受信確認なし| A

UDPは、データを送信するとすぐに次のデータを送るため、リアルタイム性の高い通信に適しています。しかし、エラー訂正を行わないため、データが一部欠損する可能性があります。

わかりやすい具体的な例2

オンラインゲームの通信にもUDPが使われています。プレイヤーの操作情報は、できるだけ素早く反映される必要があります。もしデータが一部消失しても、ゲームプレイには大きな影響がないため、UDPが適用されます。

graph TD; X[ゲームサーバー] -->|プレイヤー操作送信| Y[クライアント] X -->|データロス発生可| Y Y -->|リアルタイム更新| X

オンラインゲームでは、遅延を最小限に抑えることが重要です。UDPは軽量なため、素早いデータ転送を実現し、スムーズなプレイ環境を提供します。

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UDPはどのように考案されたのか

UDPは、1980年にデイヴィッド・P・リード(David P. Reed)氏によって考案されました。彼は、従来のTCPよりもシンプルで高速な通信方法が必要であると考え、UDPの開発を進めました。TCPは信頼性を重視する一方、UDPはリアルタイム性を重視するプロトコルとして設計されています。

graph TD; C[デイヴィッド・P・リード] -->|1980年| D[UDP開発] D -->|リアルタイム通信の必要性| E[シンプル設計]

考案した人の紹介

デイヴィッド・P・リード氏は、アメリカの計算機科学者で、ネットワーク技術の発展に大きく貢献しました。彼はMITで博士号を取得し、インターネットプロトコルの開発に携わる中で、UDPの必要性を見出しました。彼の研究は現在のリアルタイム通信の基盤となっています。

考案された背景

1980年代のインターネット環境では、音声や動画などのリアルタイムデータの送信が求められていました。しかし、TCPはデータの整合性を保証するために遅延が発生しやすく、スムーズな通信には不向きでした。そのため、より軽量で高速なUDPが考案され、リアルタイム通信の発展に貢献しました。

UDPを学ぶ上でつまづくポイント

UDPはデータの保証を行わないため、「データが消失することは問題にならないのか?」という疑問を持つ人が多いです。しかし、用途によっては、多少のデータロスが許容される場面も多く、オンラインゲームや動画ストリーミングではUDPが最適な選択となります。

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UDPの構造

UDPは、送信元ポート、宛先ポート、長さ、チェックサム、およびデータの5つの要素で構成されています。ヘッダーのサイズが小さいため、データ送信が高速に行われます。

graph TD; F[UDPヘッダー] --> G[送信元ポート] F --> H[宛先ポート] F --> I[長さ] F --> J[チェックサム] F --> K[データ]

UDPを利用する場面

UDPは、リアルタイム性が求められる通信において広く利用されています。

利用するケース1

動画ストリーミングサービスでは、多少のフレーム欠損が許容されるため、UDPが使用されます。視聴者にとって重要なのはスムーズな再生であり、データの完全性よりも遅延を減らすことが優先されます。

graph TD; M[動画ストリーミング] -->|UDP通信| N[視聴者] M -->|遅延削減| N

利用するケース2

VoIP(Voice over IP)サービスでは、音声をリアルタイムで伝送する必要があります。TCPでは遅延が生じやすいため、UDPが適用されます。

graph TD; O[VoIP] -->|UDP通信| P[通話相手] O -->|遅延回避| P

さらに賢くなる豆知識

UDPは、DDoS攻撃のターゲットになりやすいという特性があります。これは、接続を確立しない性質が悪用されやすいためです。そのため、セキュリティ対策としてファイアウォールやレート制限が必要になります。

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あわせてこれも押さえよう!

UDPの理解において、あわせて学ぶ必要があるサーバー関連のキーワードを5つ紹介します。

  • DNSサーバー
  • ドメイン名をIPアドレスに変換するサーバー。

  • ストリーミングサーバー
  • 動画や音声を配信するためのサーバー。

  • VoIPサーバー
  • 音声通話をインターネット経由で提供するサーバー。

  • ゲームサーバー
  • オンラインゲームのプレイヤーデータを管理するサーバー。

  • DHCPサーバー
  • IPアドレスを自動的に割り当てるサーバー。

まとめ

UDPを理解することで、リアルタイム通信の仕組みがよく分かります。動画ストリーミングやオンラインゲームなど、身近なサービスでも利用されているため、その特徴を知ることでインターネットの仕組みをより深く理解できます。

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