ウェブアプリケーションファイアウォール(WAF)を知らない方でも理解できるよう、仕組みや利用シーンを具体例と図解を交えてわかりやすく解説します。
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ウェブアプリケーションファイアウォールとは?
ウェブアプリケーションファイアウォールは、ウェブサイトやアプリケーションへの攻撃を防ぐセキュリティシステムです。特にSQLインジェクションやクロスサイトスクリプティングなどの不正アクセスをリアルタイムで検知し、遮断します。
わかりやすい具体的な例
あなたの家の玄関に警備員が立っていて、不審者が入ろうとしたらすぐに止めるイメージです。
ウェブアプリケーションファイアウォールは、サイトにアクセスする人を検査し、不審な動きがあれば即座にシャットアウトする役割を持ちます。
ネットショッピングサイトで、誰かが商品を無理やり安く買おうとする不正な操作を防ぐ仕組みです。
例えば誰かがシステムの裏をかいて安く購入しようとした場合でも、ウェブアプリケーションファイアウォールがそれを見抜いてブロックします。
ウェブアプリケーションファイアウォールはどのように考案されたのか
インターネットが広まりウェブアプリケーションが急増した1990年代後半、従来のファイアウォールでは対処できないアプリケーション層の攻撃が多発しました。そのため、アプリケーション層を保護する専用のファイアウォールとしてWAFが登場しました。
考案した人の紹介
ウェブアプリケーションファイアウォールの概念は、1997年にインターネットセキュリティ企業Impervaの共同創業者であるAmichai Shulman氏が発表しました。彼はネットワークセキュリティの専門家であり、従来のファイアウォールでは防げないアプリケーション層の攻撃に着目し、WAFの必要性を提唱しました。
考案された背景
1990年代後半、電子商取引の拡大に伴い、SQLインジェクションなどの高度な攻撃が増加しました。これにより、従来のネットワーク型ファイアウォールだけでは不十分だと認識され、WAFの開発が進められました。
ウェブアプリケーションファイアウォールを学ぶ上でつまづくポイント
多くの人がWAFを学ぶ際に混乱するのは、ネットワーク型ファイアウォールとの違いです。従来のファイアウォールはIPアドレスやポート番号でアクセス制御を行いますが、WAFはHTTPリクエストの中身を解析します。また、プロキシサーバーやリバースプロキシと混同しやすい点も注意が必要です。
ウェブアプリケーションファイアウォールの構造
WAFは、プロキシ型とインライン型の2種類の方式があり、リクエストを検査し、不正なものは遮断します。主に署名ベース、挙動分析ベースの検出方法が用いられます。
ウェブアプリケーションファイアウォールを利用する場面
主にオンラインショップや金融機関のウェブサイトで活用されます。
利用するケース1
大規模なECサイトでは、不正アクセスや情報漏洩リスクが高まります。そこでWAFを導入し、SQLインジェクションやクロスサイトスクリプティングをリアルタイムで検出・遮断することで、顧客情報や決済データを安全に保護しています。
利用するケース2
金融機関のインターネットバンキングでは、特に高度な攻撃が多発します。WAFは、リクエスト内容を検査し、不正ログインやデータ改ざんを防止します。金融取引の安全性を確保する重要な役割を果たしています。
さらに賢くなる豆知識
WAFはクラウド型のサービスとして提供されることも増えています。これにより、導入コストを抑えつつ、最新の攻撃パターンにも自動的に対応できるのが特徴です。
あわせてこれも押さえよう!
ウェブアプリケーションファイアウォールの理解において、あわせて学ぶ必要があるサーバー関連の重要なキーワードを5つ紹介します。
- プロキシサーバー
- リバースプロキシ
- ロードバランサー
- IDS/IPS
- CDN
クライアントとサーバーの中継役を務めるサーバーで、通信内容を制御・監視します。
サーバー側に設置されるプロキシで、負荷分散やセキュリティ強化に利用されます。
複数のサーバーにトラフィックを均等に振り分け、負荷を最適化します。
侵入検知システム(IDS)および侵入防止システム(IPS)は、ネットワーク上の不正アクセスを監視・防御します。
コンテンツ配信ネットワークで、ウェブサイトの表示速度向上やDDoS攻撃の軽減に効果を発揮します。
まとめ
ウェブアプリケーションファイアウォールを理解することで、オンラインでの安全性を確保でき、企業の信頼性向上や情報漏洩リスクの低減につながります。日常業務やサイト運営において、より強固なセキュリティ対策を実施する助けとなります。