【サーバーNo.539】今更聞けない!グリッドストレージをサクッと解説

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グリッドストレージとは何かを知らない方でも理解できるように、この記事ではその特徴や仕組み、活用方法をわかりやすくまとめています。これを読めば、グリッドストレージの基本がすぐに把握できます。

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グリッドストレージとは?

グリッドストレージとは、複数のコンピュータやサーバーのストレージリソースをネットワークで連携させ、1つの大きな仮想ストレージとして利用する仕組みです。それぞれ独立したストレージを効率的に活用し、柔軟かつスケーラブルなデータ管理を可能にします。

わかりやすい具体的な例

家庭のパソコンと外付けハードディスクを組み合わせて、大容量の1つのストレージのように使う

flowchart LR A[家庭のパソコン] -- 接続 --> B[外付けハードディスク] B -- まとめて利用 --> C[仮想ストレージ] C -- データ保存 --> D[ユーザーが簡単に使える]

例えば、家にあるパソコンと外付けハードディスクを一つにつなぎ、大きな一つのドライブのように使うイメージです。必要に応じて容量を増やせるのが特徴です。

企業内の複数のサーバーをまとめて一元管理する

flowchart LR A[サーバー1] -- ネットワーク接続 --> B[サーバー2] B -- ネットワーク接続 --> C[サーバー3] A & B & C -- 連携 --> D[統合ストレージプール] D -- 利用 --> E[社員がアクセス]

企業では、部署ごとに異なるサーバーが存在しても、それらをまとめて一つのストレージとして社員全員が使えるようにできます。管理や拡張が容易になるのが利点です。

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グリッドストレージはどのように考案されたのか

グリッドストレージは、1990年代後半の分散コンピューティングの進化に伴い考案されました。当時、データ量の増加とともに単一のサーバーに依存しない柔軟なデータ保存方法が求められ、多数のリソースを有効活用するために誕生しました。

flowchart TD A[1990年代のデータ増加] --> B[単一サーバーの限界] B --> C[分散コンピューティングの登場] C --> D[リソースの有効活用の必要性] D --> E[グリッドストレージの考案]

考案した人の紹介

グリッドストレージの概念は、イアン・フォスター氏を中心とした研究者たちによって推進されました。イアン・フォスター氏はシカゴ大学の教授であり、分散コンピューティングとグリッドコンピューティングの分野で知られています。彼は、ネットワークを介して計算資源とストレージ資源を統合する重要性を提唱し、グリッドストレージの基盤を築きました。

考案された背景

1990年代はインターネットの普及とデータ量の爆発的増加が進んだ時代でした。この背景で、企業や研究機関は大量のデータを効率的に保存・管理する必要に迫られ、既存の単一サーバーによるストレージでは対応が困難になったため、グリッドストレージの開発が進められました。

グリッドストレージを学ぶ上でつまづくポイント

多くの人がつまづくのは、単一ストレージと分散ストレージの違いです。従来のストレージは一台のサーバーに依存しますが、グリッドストレージは複数のストレージをネットワーク経由で統合します。そのため、ストレージ間のデータ同期や冗長性管理の仕組みが理解しづらいと感じる人が多いです。RAIDNASといった他のストレージ技術と混同しがちな点も注意が必要です。

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グリッドストレージの構造

グリッドストレージの構造は、複数のストレージノードがネットワークで相互接続され、データを分散保存します。各ノードには独自のストレージデバイスがあり、メタデータ管理サーバーが全体のファイルシステムを統括します。これにより、ノード障害時にも冗長性とデータの可用性が確保されます。

flowchart TD A[ストレージノード1] --> D[メタデータ管理サーバー] B[ストレージノード2] --> D C[ストレージノード3] --> D D --> E[仮想ストレージとしてユーザー提供]

グリッドストレージを利用する場面

主に大規模データセンターやクラウドサービスで利用されています。

利用するケース1

例えば、動画配信サービスでは大量の動画ファイルを効率よく保存・配信する必要があります。グリッドストレージを活用することで、地域ごとのデータセンターに分散保存しつつ、ユーザーがどこからアクセスしても安定した配信が可能になります。また、急なアクセス増加時にも、ノードを追加することで柔軟に対応できます。

flowchart TD A[動画ファイル] --> B[データセンター1] A --> C[データセンター2] A --> D[データセンター3] B & C & D --> E[安定した動画配信]

利用するケース2

金融機関では、大量の取引データを長期間安全に保存する必要があります。グリッドストレージを導入することで、拠点ごとに設置されたサーバー間でデータを冗長化し、万が一の障害時にもデータ損失を防ぎます。これにより、法律や規制に準拠した堅牢なデータ管理が実現できます。

flowchart TD A[取引データ] --> B[支店サーバー1] A --> C[支店サーバー2] A --> D[本社サーバー] B & C & D --> E[冗長性確保]

さらに賢くなる豆知識

グリッドストレージは、ストレージ容量だけでなく計算リソースも統合できる場合があります。これにより、単なる保存場所としてだけでなく、分散コンピューティング基盤の一部として活用されるケースもあります。HPC(高性能計算)環境で特に注目されています。

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あわせてこれも押さえよう!

グリッドストレージの理解において、あわせて学ぶ必要があるサーバーについて5個のキーワードを挙げて、それぞれを簡単に説明します。

  • クラスターストレージ
  • 複数のストレージをクラスター化して、1つのストレージシステムとして動作させる技術です。

  • NAS(Network Attached Storage)
  • ネットワークを介して利用するファイルベースのストレージで、家庭や企業で広く使われています。

  • SAN(Storage Area Network)
  • 専用のネットワーク経由でブロック単位のデータを高速転送するストレージシステムです。

  • オブジェクトストレージ
  • データをオブジェクト単位で管理し、スケーラブルで柔軟な保存が可能なストレージです。

  • RAID(Redundant Array of Independent Disks)
  • 複数のハードディスクを組み合わせ、冗長性やパフォーマンス向上を図る技術です。

まとめ

グリッドストレージについての理解を深めることで、大規模なデータ管理の効率化や柔軟な拡張性の確保が可能になります。日常業務やクラウドサービスの構築にも役立つ知識です。ぜひこの機会に理解を深めてください。

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