【サーバーNo.541】今更聞けない!グローバルロードバランサーをサクッと解説

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本記事では、グローバルロードバランサーについて、初心者の方にもわかりやすく解説します。難しい用語を噛み砕いて説明し、具体例や図解も用いて理解を深めていきます。

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グローバルロードバランサーとは?

グローバルロードバランサーとは、世界中の複数のサーバーに対してアクセスを分散し、ユーザーに最適なサーバーを割り当てる仕組みです。これにより、通信速度やサーバーの負荷が均等になり、快適な利用環境を提供します。

わかりやすい具体的な例

例えば、あなたが日本からある通販サイトにアクセスしたとします。そのサイトのサーバーはアメリカにもヨーロッパにもありますが、グローバルロードバランサーは日本に近いサーバーに自動で接続させ、より早く表示させます。

flowchart LR A[ユーザー(日本)] --> B{グローバルロードバランサー} B --> C[日本サーバー] B --> D[アメリカサーバー] B --> E[ヨーロッパサーバー] C --> F[Webページ表示] D --> F E --> F note right of B: 各サーバーの距離や負荷状況を判定

この図では、日本からアクセスした際に、最も近い日本サーバーが選ばれる流れを示しています。これにより、無駄なく早くページが表示されます。

また、別の例として、大型イベント時のチケット販売サイトを考えましょう。アクセスが集中するとき、グローバルロードバランサーは世界中の複数サーバーへうまく振り分け、サーバーダウンを防ぎます。

flowchart LR A[世界中のユーザー] --> B{グローバルロードバランサー} B --> C[アジアサーバー] B --> D[北米サーバー] B --> E[ヨーロッパサーバー] C --> F[チケット購入ページ] D --> F E --> F note right of B: アクセス数を均等に分散

この図は、アクセス集中時に世界各地のサーバーへ負荷を分散させ、サイトが落ちるのを防ぐ様子を表しています。

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グローバルロードバランサーはどのように考案されたのか

インターネット利用者の急増とともに、従来のローカルロードバランサーだけでは世界中のユーザーに安定したサービス提供が難しくなりました。そのため、地理的な距離や負荷状況を考慮し、世界規模で負荷を最適化するグローバルロードバランサーが考案されました。

flowchart TD A[インターネット利用者の増加] --> B[サーバー負荷の偏り] B --> C{課題発生} C --> D[速度低下] C --> E[サーバーダウン] D --> F[グローバルロードバランサーの発明] E --> F note right of F: 世界各地の負荷分散を実現

考案した人の紹介

グローバルロードバランサーの概念は、1990年代後半にF5 Networksの技術者たちによって商業化されました。中でもジョン・マクアダムス氏はF5 NetworksのCEOとしてロードバランシング技術の発展に尽力しました。彼のリーダーシップのもと、世界中のネットワークに対応できる仕組みが構築され、現代のクラウドサービスの礎となりました。

考案された背景

1990年代後半、インターネットの商用利用が拡大し、国際的なWebサービスが急成長しました。この状況下で、単一のサーバーでは世界中のアクセスに対応しきれず、効率的な負荷分散が求められたことが、グローバルロードバランサー誕生の背景となっています。

グローバルロードバランサーを学ぶ上でつまづくポイント

多くの人が最初につまづくのは、ローカルロードバランサーとグローバルロードバランサーの違いです。ローカルは1つのデータセンター内での負荷分散ですが、グローバルは世界中のデータセンター間での分散を指します。また、DNSレベルで動作することや、CDN(コンテンツ配信ネットワーク)との違いについても混同しがちです。これらの用語はそれぞれ異なる役割を持つため、しっかり区別して学びましょう。

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グローバルロードバランサーの構造

グローバルロードバランサーは、DNSサーバーを基盤とし、ユーザーの地理情報やサーバーの稼働状況をリアルタイムで監視します。そして、最適なデータセンターへリクエストを振り分けるために、GeoDNSやヘルスチェック機能を組み合わせて運用されます。

flowchart TB A[ユーザーのアクセス要求] --> B[DNSサーバー] B --> C{グローバルロードバランサー} C --> D[GeoDNSで位置特定] C --> E[サーバーヘルスチェック] D --> F[最適なサーバー選定] E --> F F --> G[ユーザーに応答] note right of C: 各要素が連携し最適な接続先を選定

グローバルロードバランサーを利用する場面

世界中のユーザーにサービスを安定提供したい場合に利用されます。

利用するケース1

例えば、世界規模で展開している動画配信サービスは、アクセスの集中や地理的距離による通信遅延を防ぐ必要があります。グローバルロードバランサーを導入することで、各国の視聴者が最も近いデータセンターに接続され、高画質でスムーズな再生が実現します。また、サーバーの負荷を自動的に監視し、過負荷時は別のサーバーに切り替える仕組みも備えています。

flowchart TD A[視聴者(各国)] --> B{グローバルロードバランサー} B --> C[アジアデータセンター] B --> D[北米データセンター] B --> E[ヨーロッパデータセンター] C --> F[動画配信] D --> F E --> F note right of B: 通信遅延を防ぎ快適視聴を実現

利用するケース2

また、大手ECサイトでは、セール時などに世界中から大量アクセスが発生します。この場合もグローバルロードバランサーを活用することで、各地域のサーバーにアクセスを均等に振り分け、サーバーダウンを防ぎます。万が一、特定地域のサーバーが停止した場合でも、自動的に他地域の稼働中サーバーへリダイレクトします。

flowchart TD A[世界中の顧客] --> B{グローバルロードバランサー} B --> C[アジアサーバー] B --> D[北米サーバー] B --> E[ヨーロッパサーバー] C --> F[商品ページ表示] D --> F E --> F note right of B: 負荷分散し安定した買い物体験を提供

さらに賢くなる豆知識

グローバルロードバランサーは、DNSベースの仕組み以外にも、アプリケーション層で動作するものや、Anycast IPアドレスを活用した方式もあります。特にAnycastは同じIPアドレスを複数のロケーションで使用し、最短経路のルーティングを実現するため、高速性と冗長性に優れています。

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あわせてこれも押さえよう!

グローバルロードバランサーの理解を深めるために、関連するサーバー技術もあわせて学びましょう。

  • ローカルロードバランサー
  • 単一データセンター内での負荷分散を担い、内部リクエストの効率化に使われます。

  • DNSサーバー
  • ドメイン名とIPアドレスの変換を行い、グローバルロードバランサーの根幹を支えます。

  • CDN(コンテンツ配信ネットワーク)
  • 世界中にコンテンツをキャッシュして配信速度を最適化し、負荷分散を補助します。

  • ヘルスチェックサーバー
  • 各サーバーの稼働状況を定期的に確認し、正常なサーバーだけにトラフィックを送ります。

  • GeoDNS
  • ユーザーの地理的な位置情報に基づき、最適なサーバーを選定する仕組みです。

まとめ

グローバルロードバランサーを理解することで、世界中に安定したサービス提供ができる重要性がわかります。通信の最適化や障害対策にも役立つため、Webシステム運用には欠かせない技術です。ぜひこの知識を活用し、より効率的なインフラ設計を目指しましょう。

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